第三者承継

小売業

ゴトウ金物店

小売業

地域になくてはならない老舗店を
常連客の建設会社が承継

会社概要

 創業90年の老舗金物店を妻とその妹とともに経営してきた後藤鋼似さん。特に、土木・建設資材や林業用工具など、地域産業を支えるプロユース商品を豊富に揃え、地元に愛される店舗を目指してきました。
 後継者がいなかった後藤さんは、自身が高齢になり、近年のデジタル化への対応に困難を感じ始めたことから、岐阜商工会議所を訪問し、岐阜県事業承継・引継ぎ支援センターに事業承継を相談。その後、2023年10月に消費税のインボイス制度が始まることを受けて、廃業を決意します。
 常連客や近隣住民にその意思を伝えると、多くの人から引き止める声が上がったといいます。そんな常連客のひとりだったのが、下呂市を中心に土木・解体工事を手がける株式会社丸為。同社の今井亨社長は、従業員からゴトウ金物店の廃業を知り、「この店がなくなれば、自社で多くの在庫を抱えざるを得なくなり、多くの業者が困る。それなら、当社で事業を引き継ぎたい」と考えました。

歴史とノウハウを引継ぎ
地元の新たな雇用や活躍の場に

 実は、今井社長は以前から事業の多角化を目指してM&Aを検討。地元の萩原町商工会から岐阜県事業承継・引継ぎ支援センターを紹介してもらい、相談をしていました。そこで今井社長は、同センターの古川サブマネージャーにゴトウ金物店を承継したい旨を伝え、支援を依頼。サブマネージャーは、両社の間に入り、後藤さんに今井社長の思いを伝えます。
 最初は驚きと戸惑いを感じた後藤さんでしたが、今井社長の熱意に心を打たれ、承継を決断。さらに、しばらくは店に残り、長年培ったノウハウや商品知識を引継ぐことにしました。その後、サブマネージャーが両社の意志や条件を確認し合うなど支援を行い、2023年2月に事業譲渡契約を締結。現在は、店舗を新たに整備し、後藤さんが新たな従業員を指導しながら経営を続けています。
 今井社長も「今後はSNSやネット通販などにも着手していきたい。将来的には、現場作業をリタイヤした従業員や女性従業員が活躍する場にもしていけたら」と、さらなる発展に期待を寄せています。

店舗経営ノウハウを伝える後藤さん夫妻

ゴトウ金物店を承継した株式会社 丸為(下呂市 萩原町)

岐阜県事業承継・引継ぎ支援センターのサポートを受けて 岐阜県事業承継・引継ぎ支援センターのサポートを受けて
事業継承フロー 事業継承フロー

会社概要

ゴトウ金物店

〒509-3104 岐阜県下呂市小坂町小坂町827-5
TEL.0576-62-2115 FAX.0576-62-2182

設立
1962年
従業員数
3名
事業内容
土木・建設、林業など
プロユースの資材・工具販売
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